俺が様々な女の子との出会いを求め続けて約二十年の月日が経った


リアルなストリートナンパから始まり、テレクラや携帯電話よりもピッチ(PHS)の方が人気のあった時代の前略プロフィールやスタービーチなどで女の子との出会いを求め続けた


昔は、今のように通信料定額のパケ放題などはなく、見ずらい携帯端末でネットをしすぎて請求金額が何万円にもなってしまうパケ死などという言葉まであった


そんな時代から、ありとあらゆる手段を使って女の子と出会い、時には金を掴ませて一夜を共にしてきたが、出会い系やテレクラで会う女の子はまさに魑魅魍魎だった


ブス、デブ、ババアなどは当然当たり前で、そんなことで一喜一憂していちいち断っているようでは出会い系は楽しめないし、そんな難のある女の子たちも、実際に話してみると明るくて元気で性格が良かったり、訊けば、非常に興味深い人生を歩んでいる事も多い


初体験が実の父親という闇の深い女の子もいたし、ヤクザの男と結婚して全身に和彫りの刺青を入れられてしまった女性もいた


かと思えば、TEENに人気のファッション誌に掲載経験のあるモデルの女の子と出会ったこともある


当たりとハズレがここまで激しいギャンブルは、出会い系以外にないのではないかと思ってしまうほどである



そんな、普通に平々凡々と生きていたら普段出会うことはないだろう女の子と沢山出会ってきた俺だが、中には思い出深い女の子というのも何人か存在する


そのうちの一人、ミカちゃん(26歳)との出会いは今でもたまに思い出す


ミカちゃんとはYYCで出会った


「一緒に遊べる人募集しています。場所は松戸近くの人だと嬉しいです。ただし、私は耳が聞こえないのでそれでもOKという方連絡ください


YYCの掲示板にこのような書き込みがされていた


俺は、この掲示板に書き込まれたシンプルな文章に驚きを感じていた


なぜか驚いたのかというと、身体に障害を持った女の子が出会い系アプリを利用するケースは実に稀なのだ


出会い系という特色上、集まってきている男どもの決して好尚とは言えない人間性を鑑みると、とてもじゃないが身体に障害を抱えた人が楽しめるような場所ではないからだ


場合によっては、ネットの情報交換掲示板などに「あの女マジでブスだった」とか「緩マンなうえに臭マンだった」などと平気だ書き込まれる世界だ


健康な女の子でもボロカスに書かれるのに、身体障害者なら何を書かれるか分かったものではない


出会い系で精神的に不安定な女の子は山ほどいるが、身体的な障害を持っている女の子となると、俺でも数えるぐらいしか記憶にない



ちょっと興味が出た俺は、ミカちゃんの書き込みにメッセージを送ってみたのだが、数時間経っても返信は無し


どうやら俺は出遅れてしまったようで、出会い系の掲示板に書き込むメリットは、メッセージが来た中から自分で選べる立場になれるという事なので、おそらく、俺の前にメッセージを送った男が上手く盛り上げることに成功したのだろうと思い、その時は諦めることにした


翌日も、さらにその翌日もYYCをチェックしてみたが、聾唖のミカちゃんからの返信は無し


ちょっと印象に残るような特殊な環境下での出会いを逃してしまった俺は、なんとも言えない悔しさと、彼女とうまくやり取り出来た男が、彼女と会っていると思うと、妙な嫉妬心などが生まれて、余計に会いたくなってしまっていた



まあ、チャンスを逃した俺が悪いのだから気にしてもしょうがないと思い、他の女の子との出会いを精力的に行い、彼女の存在を忘れかけていた時、再度YYCの掲示板にミカちゃんからの書き込みがされた


最初にミカちゃんとの接触を図った時から2か月ぐらい経過していただろうか


ミカちゃんの書き込みの内容は前回と全く同じで、俺は「今回こそはチャンスを逃すまい!」と思い、震える手でメッセージを送信した


「はじめまして!ミカさんに惹かれるものがありメッセージをさせていただきました!仲良くなれたらと思っています」


耳の事は触れないように、あえてこのようなシンプルなメッセージを送った


しばらく返信は無く、今回もダメだったかと諦めかけていた時、なんとミカちゃんからメッセージが来た


「はじめまして。メールありがとうございます。今日時間空いているのですが、会えたら嬉しいです。松戸で遊べませんか?」


このような返信が届き、いきなり会おうという誘いに少々戸惑ってしまった


美人局じゃねえだろうな・・・と勘繰ってしまったが、ようやく掴んだチャンスを逃したくもない


考えてもしょうがないので、天に運を任せるつもりで「今日大丈夫ですよ!1時間ぐらいで松戸行けます」と、光の速さでメッセージを返信した


ミカちゃんから「1時間後に松戸駅の改札でも大丈夫ですか?」と再び返信が来て、俺はもちろんOKして、急いで準備をして電車に乗って松戸駅に向かった


千葉県の中では都会に位置する松戸駅だが、俺が到着した夜の9時頃はけっこう人通りが減って閑散とした感じだった


東口の改札を出たすぐの柱の所にいるとメッセージを送り、ミカちゃんを待っていると、こちらに向かってカバンを斜め掛けした髪の長い女の子が歩いてくるのがわかった


恐る恐る女の子の方に歩み寄ると、向こうから軽く会釈してきた


「ミカちゃんですか?」と思わず訪ねてしまったが、耳が聞こえないのだから当然反応はない


ミカちゃんは、こちらにノートサイズのホワイトボードを向けながらペンで「ピロ氏さんですか?」と書いて指でなぞって見せてきた


砂鉄を利用して文字を書くタイプのもので、子供のころにこのようなおもちゃで遊んだなと思いながら、ウンウンと俺が頷くと小さく微笑んで駅の出口を指差す


それにしても、俺は驚いていた


ミカちゃんの見た目は沖縄チックな濃いめの顔で目がぱっちりして大きく、安室奈美恵の若い時のような感じと言えばわかりやすいだろうか


身長は150㎝ほどで小柄でロリ体型、太くて張りがありそうな艶々した黒髪は肩よりも長く、服装はなんだか中学生のような幼い感じだった


出会い系界隈では当然だが、世間一般の女の子と比べてもかなり美人な女の子だった


俺が自分の携帯に「よろしくね」と書くと、ミカちゃんは」OKのマークを指で作って小さく笑った


正直、本当に可愛い笑顔で俺は一瞬で心を奪われてしまった


一緒に並んで歩きながら、ミカちゃんはホワイトボード、俺は携帯で会話した


俺が「どこかで食事しようか?お腹は空いてない?」と訊くと、「ごめんなさい、ご飯さっき食べちゃったんです。外は苦手なんで私の家で会話でも出来たらと思うんですけど大丈夫ですか?」と言われ、また仰天してしまった


普通、いくら出会い系とはいえ、いきなり「家に来ませんか」なんて言う女は、割り切り(パパ活援助)希望でもない限りそうそういない


これは、いよいよ美人局じゃねえか?と再度勘ぐってしまったのだが、ミカちゃんの顔を見ていると、そんな事やるような女の子にはとても見えない


再度、天に運を任せるつもりで「もちろんOK!それじゃあコンビニで何か買っていこうか」と携帯で書くと、また微笑みながらOKサインを指で作って見せてくれた



途中のコンビニで軽食や飲み物などを買い、しばらく住宅街を歩くと大きなマンションが見えてきた


そのマンションの階段をミカちゃんはピョンピョンと軽快に登っていく


3階まで階段で上がったところで、ミカちゃんが奥の一室のカギを開けて入室して部屋に招き入れてくれた



聾唖の彼女が求めていたものとは

俺は、ミカちゃんの部屋に入って他に誰か居ないかを確認してから内鍵をロックしてチェーンをかけた


万が一の美人局を想定してのことだったが、ミカちゃんはキョトンとした顔していたので、俺の杞憂だったかなと思い、彼女のベットに腰掛けた


6畳ぐらいだろうか、ワンルームの狭いこじんまりとした部屋で、ベットとテレビとタンスが置いている程度で、物がほとんど無い部屋だったのだが、なぜか部屋のあちこちに小銭が落ちていた


ひょっとして耳が聞こえないから、小銭を落としても気が付かないのだろうか?などと思いながら、ミカちゃんに携帯で「小銭落ちてるよ」と書くと、何とも言えないバツの悪そうな苦笑いをしていた



とりあえず、コンビニで買ったコーヒーを飲みながら、ホワイトボードと携帯で会話をした


ピロ氏「ミカちゃんホントに可愛いよね!最初見た時ビックリしたよ!YYCはけっこう利用するの?」

ミカちゃん「ありがとう。数か月前からたまに利用するかな」

ピロ氏「今までYYCで会った人とは、今回みたいにいきなり家に招待してるの?」

ミカちゃん「人によるかな。あんまりキモイ人だと会ったその場でバイバイしちゃう。私、耳が聞こえないから外で遊んでもあんまり楽しくないし、外だと文字書くのも大変だから、大体家に来てもらって筆談に付き合ってもらう事が多いかな」

ピロ氏「いきなり家に呼んだら危ない目に合う事とかないの?」

ミカちゃん「性格良さそうな人だけ呼ぶから、今のところ大丈夫かな」

ピロ氏「そっか。いい人だと思われて嬉しいよ!実際俺はいい人なんだけど。ミカちゃんは彼氏とか居ないの?」

ミカちゃん「数か月前まで居たけど、別れて今は居ないよ」


なるほど、彼氏と別れたからその寂しさを紛らわすためにYYCなどの出会い系を使っているのだなと俺は思った


ピロ氏「彼氏とは何で別れたの?」

ミカちゃん「わからない。突然別れようって言われたんだよね。付き合ったのも半年ぐらいだったけど。でも耳の事があるから私も別れた方がいいと思ってた」

ピロ氏「耳の事って?」

ミカちゃん「筆談なんかも面倒臭そうだったし、それで迷惑もかけてたから」


確かに、俺も筆談が珍しくて携帯とホワイトボードで会話をどんどんしているけど、これが日常になると面倒臭くなるかもしれないと思った


ミカちゃんが付き合っていた彼氏の気持ちの糸が切れたのが半年だったということなのだろうか


なんともリアルというか、聴覚障害者の直面する壁を目の当たりにして、聞くのが辛い話だと思った


ピロ氏「サイトでは良い男いた?」

ミカちゃん「会ってみて、何人かに告白されたけど断っちゃった」

ピロ氏「なんで断ったの?」

ミカちゃん「かっこ悪かったからかな」

ピロ氏「俺もかっこ悪い?」


それを携帯に書いてミカちゃんに見せると、笑みをこぼしながら首を振ってくれた



おそらく、普通に会話で話してしまえば15分も掛からないような内容だったが、ホワイトボードと携帯に書き込んで、文字を読んで、返事を書いて・・・というやり取りをしていると、1時間以上も時間を費やすこととなった


内容も、ほとんど年頃の女の子と変わらないと思うし、男から告白されてかっこ悪いから断ったとか、至って普通のその辺に居る女の子と同じような生活を送っているように思えた


きっと、彼女は耳が聞こえないってだけで、年頃の女の子が大好きなおしゃべりなども思うようにできなくて、コミュニケーションに飢えていたのかもしれない


「こんな可愛いのに世の中上手くいかないものだな」と思い、それと同時に彼女の事が愛おしくなり、彼女にキスしてみたが、拒まれることはなかった


シャワー行こうとミカちゃんにジェスチャーされ、共に裸になってシャワールームへ行き、お互いの身体を洗った


ミカちゃんのおっぱいは小ぶりながらも、かなり美乳と言えるものだった


風呂場にまで携帯やホワイトボードを持ってくるわけにはいかないので、お互いジェスチャーだけだったが、心が通じ合っているような不思議な感覚に陥った



部屋に戻って、ミカちゃんに愛撫を始めると「うー、うー」と、うねるような小さな声を漏らし始めた


やはり、普通の女の子とはあえぎ声が全然違うが、これはこれで興奮できるものだった


一通りのSEXを終え、お互い汗だくになりながらベットで横になってる状態で、ホワイトボードと携帯でしばらくピロートークをした


帰り際に玄関でキスして「また会おうね」とホワイトボードで誓い合って、俺はミカちゃんの部屋を後にした



それから、3回彼女と遊んだのだが、ある時急に連絡が取れなくなった


何かあったのだろうか?と思い、あのマンションに直接会いに行って確かめてみようと思ったが、それはやめておこうと留まった


きっと良い男と巡り会って幸せに暮らしているといいなと思った



今回の聴覚障害の聾唖美少女と出会ったのはYYC



今回の話に出てきたミカちゃんは、俺の中ではかなり印象に残っている女の子だ


綺麗な容姿を持ちながらも、耳が聞こえないという障害があるために、友達も彼氏もおらず、職場と自宅の往復の生活


20代半ばの遊びたい盛りの彼女にとってはYYCは他者と自分を繋ぐ大切なツールだったのだろう


彼女が幸せな恋愛が出来ているといいなと俺は強く願っている